ACERC開所記念特別シンポジウム

【基調講演Ⅰ】
環境・エネルギーのデザイン

東京理科大学 栄誉教授・光触媒センター特別顧問 藤嶋 昭 氏

東京理科大学 栄誉教授・光触媒センター特別顧問
KISTEC光触媒グループリーダー 藤嶋 昭 氏

 「環境・エネルギーのデザイン」と題した基調講演Ⅰには、東京理科大学 光触媒センター特別顧問・KISTEC光触媒グループリーダーを務める藤嶋 昭氏が 登壇しました。小中高校生など一般聴講者を対象とした出張授業も数多く行っている藤嶋氏の講演は、専門領域である光触媒効果の紹介やテクノロジー解説に留まらず、 研究者はどのように研究活動に取り組むべきか、研究成果を実用化するにはどのような発想が必要かなど、ご自身の体験を元にしたユニークなトピックスが随所に盛り込まれており、 世界を代表する研究者である藤嶋氏からのメッセージにシンポジウム参加者は熱心に耳を傾けました。

 基調講演の前半では、1966年に横浜国立大学工学部を卒業後、東京大学大学院在学中の「本多ー藤嶋効果」発見に至るまでの研究経緯やチャレンジ、研究成果を英科学雑誌「Nature」 に掲載した際のエピソードなどが紹介されました。また、太陽光×酸化チタン(TiO2)による酸化還元作用と超親水性作用を活かした光触媒効果の実用化事例として、 消臭・殺菌・防曇・防汚などの特徴的な機能特性を応用した多くの製品化事例が紹介されました。

 後半は、価値ある研究を継続して進めるために必要な「発想の転換」をキーワードとして取り上げ、太陽エネルギーによる人工光合成とダイヤモンド電極の活用による CO2還元(カーボンリサイクル)への最先端の取り組みなどを紹介、今後もエネルギー問題から地球温暖化・環境問題へと「発想を転換」しながら研究を進めてゆきたいと語り、 シンポジウムに参加したACERC研究者や産学研究関係者に激励とエールを贈りました。


基調講演Ⅰ・藤嶋 昭 氏

※ 基調講演Ⅰプレゼンテーション資料(pdf)はこちらからダウンロードできます